南九州芸術写真祭2025

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南九州芸術写真祭

南九州芸術写真祭(MINA FOTO)は、国内外の優れた写真家によるアート作品の屋外展示を中心に、写真やアートの楽しさを体感できるアートフォトフェスティバルです。子どもから大人まで多世代にわたって誰もが親しみやすいメディアである写真を通して、「本物」に触れ、感じる機会を育みたいという願いを込めて、南九州市は2025年秋、初めての試みに挑戦します。

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日日の写真祭

コップに差す光、壁に落ちる影、子どもの寝顔、飛び立つ鳥たち――
静かに流れる毎日の暮らしのなかには、私たちがしばしば見過ごしてしまう美しさや儚さがあります。心震える瞬間や忘れられない風景が潜んでいます。
写真は、特別な出来事を記録するだけでなく、そんな何気ない一瞬に「まなざしを向けること」の芸術でもあります。

鹿児島の南端、豊かな海や山、どこまでも広がる茶畑、武家屋敷が残る町並み、歴史、文化、自然が調和し、平和を願う穏やかな地、南九州市。
いまここに、日常の一瞬に目を向ける写真家たちのまなざしとやわらかな感性でとらえられた作品たちが集います。

「日日の写真祭」は立ち止まり、見つめ、感じる場。
南九州市の穏やかな風土のなか、ささやかで、個人的な記憶や、かけがえのない時間のかけらが写しとられる瞬間を祝福します。
ささやかな一日が、新しい光を帯びて立ち上がるとき、気づくことのよろこびをともに分かち合えたらと思います。

日日の写真祭

exhibitions

展示作品

展示作品

川内倫子

RINKO KAWAUCHI

「無題」(シリーズ「M/E」より)  
2022

タイトルとなる「M/E」は、「母(Mother)」と「地球(Earth)」の頭文字であり、「母なる大地(Mother Earth)」、そして「私(Me)」という意味が込められています。アイスランドを出発点とした「M/E」シリーズの中で、コロナ禍に自宅裏庭で撮影されたこの一枚。パンデミックの中での希望のように子どもたちに光が降り注ぎ、この世界を照らしているようでもあります。悠久の自然の存在と、日々の日常で起こるささやかな出来事は、無関係ではなく、分かち難くつながっていることの必然が呼び起こされます。

PROFILE
1972年、滋賀県生まれ。2002年に『うたたね』『花火』で第27回木村伊兵衛写真賞受賞。2023年にソニーワールドフォトグラフィーアワードのOutstanding Contribution to Photography(特別功労賞)を受賞するなど、国際的にも高い評価を受け、国内外で数多くの展覧会を行う。主な著作に『Illuminance』(2011)、『あめつち』(2013)、『Halo』(2017)など。2022〜2023年に東京オペラシティ アートギャラリーと滋賀県立美術館で大規模個展「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」を開催。2025年に写真集『M/E』、篠原雅武との共著『光に住み着く Inhabiting Light』を刊行。

展示作品

ルーカス・ブレイロック

LUCAS BLALOCK

Feed Me Weird Things  
2014 - 2022

キッチンや100円ショップのような日々の生活から選んだ被写体を、大判カメラで撮影し、そのフィルム写真をスキャンした後、フォトショップで加工、20世紀初頭の前衛芸術の再現を試みたという実験的なシリーズです。デジタル処理で完璧に仕上げてしまうのではなく、あえて不完全なまま編集過程そのものに重点を置くことで、日常的なものは元の文脈から切り離され、そこには奇妙な不穏さとユーモアが生まれていきます。

PROFILE
1978年アメリカ生まれ。新しいメディアとポスト・コンセプチュアル・アートの交差点で活動する写真家。バード・カレッジの写真学准教授。2025年度グッゲンハイム・フェローに選出。主な展覧会に、ロサンゼルス現代美術館での「An Enormous Oar」、ホイットニー・ビエンナーレ(2019)、ニューヨーク近代美術館(MoMA)での「Ocean of Images: 2015 New Photography」、写真集に『Why Must the Mounted Messenger Be Mounted?』などがある。

展示作品

富安隼久

Hayahisa Tomiyasu

TTP  
2012 - 2016

ドイツ・ライプツィヒで、当時住んでいた学生寮の部屋の窓から見える公園の卓球台を5年間もの長期にわたって撮影し続けたシリーズです。時間や季節、天気が移ろいゆく中で、卓球台に訪れる人々はひなたぼっこをしたり、運動をしたり、物を干したり、子供が遊具がわりにしたりと本来の卓球台とは違う思い思いの使い方をしています。定点観測的な手法から、人の営みの面白みと愛おしさが浮かび上がってきます。

PROFILE
1982年神奈川県生まれ。2006年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業後、2013年ライプツィヒ視覚芸術アカデミーにてディプロマ、2016年マイスターシューラーを取得。2014-2016年ライプツィヒ視覚芸術アカデミー非常勤講師、2017-2020年チューリッヒ芸術大学芸術・ファインアート学部助手。現在は日本を拠点に国内外で展示を行う。写真集に『TTP』(2018)、『Silver』(2020)、『Palo』(2021)、『LOOK』(2024)など。

展示作品

うつゆみこ

Yumiko Utsu

Portrait  
2020

動物や植物、昆虫、フィギュア、オブジェなど身の回りの生き物や日用品などを組み合わせて生まれるファンタジックな世界。生命と人工物の境界を曖昧にするシュールな小宇宙は、その異質さで鑑賞者の想像力を刺激してきます。一見可愛らしくナンセンスに見えながらも、生と死、現実と空想、日常と非日常といった二つのあわいを探る哲学的なアプローチが見て取れます。

PROFILE
1978年東京都生まれ。早稲田大学、東京写真学園・写真の学校を修了後、2005年頃より作家活動を開始。2006年第26回「ひとつぼ展」でグランプリを受賞。主な写真集に『はこぶねのそと』(2009年)、『Wunderkammer』(2023年)などがあり、第34回「写真の会」賞を受賞。国内外で個展やグループ展を開催するほか、写真学校などで講師として後進の育成にも携わっている。

overview

南九州芸術写真祭2025 MINAFOTO

会 期:
2025年11月1日(土)から11月16日(日)
定休日:
無し
時 間:
10:00~17:00
会 場:
知覧武家屋敷庭園群|鹿児島県南九州市知覧町郡地内知覧武家屋敷庭園周辺
入場料:
無料
主 催:
南九州市

access

会場

知覧武家屋敷庭園群内 (城山橋、藤棚公園、旧高城家敷地公園)

南九州市役所知覧庁舎駐車場から武家屋敷の入り口まで徒歩2分

車でのアクセス

鹿児島空港より:指宿スカイライン「知覧IC」より8.2km(約12分)

鹿児島中央駅より:南薩縦貫道「知覧金山水車IC」より3.2km(約5分)

指宿市より:指宿スカイライン池田湖I知覧ICより11.6km(約18分)

バスでのアクセス

鹿児島中央駅より:知覧(特攻観音入口)行「武家屋敷入口バス停」より徒歩約2分

南九州の風景
鹿児島県南九州市

南九州市について

広大なお茶畑に囲まれた、まさに「お茶どころ」。その先には、美しい「さつま富士」こと開聞岳が優雅にそびえ立ち、晴れた日には屋久島や種子島まで見渡せる絶景が広がります。ここには、知覧茶をはじめ、大根やぐら、摩崖仏など、豊かな自然と知覧特攻平和会館などの歴史的な名所が点在しています。四季折々の風景と共に、ここ南九州市の魅力を感じながら、ゆっくりとした時間をお過ごしください。

南九州の風景
南九州の風景